2021年8月31日火曜日

ゲーム機博物館: バーチャルボーイ

2年前まで ウェブテクノロジのゲーム機博物館 にあった、珍しめのゲーム機を紹介していきます。第1回は任天堂の「バーチャルボーイ」です。

※2年前に twitterで紹介した ものに画像を追加し、サイズも少し大きくしました。

- - -

 

「バーチャルボーイ」(任天堂 1995年発売)

名前は知られていますが、現物を知らない人は多いかもしれませんね。 

国内販売台数は15万台。 

 

■本体

 撮影のために15年ぶりくらいに動かしてみたのですが、ゲーム自体は起動して音は鳴るのに、肝心の3D画面が壊れてしまっていて映りませんでした…。

 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY 本体(背面)
バーチャルボーイ 本体(背面)


バーチャルボーイ VIRTUALBOY 本体(正面)
バーチャルボーイ 本体(正面)

■コントローラー

左右に十字キーが付いているのが特徴です。 裏側にもボタンがあります。


バーチャルボーイ VIRTUALBOY コントローラー(表)
バーチャルボーイ コントローラー(表)

バーチャルボーイ VIRTUALBOY コントローラー(裏)
バーチャルボーイ コントローラー(裏)

■ソフト

 ソフトはカートリッジの蓋を外して、本体の裏側に挿しこんで使います。これ、蓋だけ無くしちゃいそうです。

 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY ソフト
バーチャルボーイのソフト

 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY マリオテニス パッケージ(表)
マリオテニス パッケージ(表)
 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY マリオテニス パッケージ(裏)
マリオテニス パッケージ(裏)
 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY マリオテニス カートリッジと蓋
マリオテニス カートリッジと蓋
 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY カートリッジを本体に挿したところ
カートリッジを本体裏側に挿したところ
 

■説明書など

バーチャルボーイの取扱説明書です。
同梱のパンフを見て、高さ調整できる別売りスタンドが
存在していたことを知って驚きました。

 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY 取扱説明書 マニュアル
取扱説明書

 
バーチャルボーイ VIRTUALBOY 取扱説明書 マニュアル
取扱説明書
楽な姿勢で遊ぼう

 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY 取扱説明書 マニュアル
取扱説明書
苦難続きのバーチャルボーイ君(?)
 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY アクセサリー パンフ アジャスタブルスタンド Adjustable Stand
アクセサリーのパンフ
アジャスタブルスタンド

 

バーチャルボーイ VIRTUALBOY アクセサリー パンフ ACアダプター アイシェード
アクセサリーのパンフ
ACアダプターとアイシェード

 

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それではまた後日、次のゲーム機を紹介します。 

※これらは2019年8月に 夢の図書館 マイコン博物館 様へ寄贈しました。いずれ展示されると被います。 

2021年8月29日日曜日

ウェブテクノロジの2つの博物館

かつて、西池袋の「株式会社ウェブテクノロジ」社内には、「98博物館」「ゲーム機博物館」がありました。

98博物館は小高社長が収集した「NEC PC-9800 シリーズ」中心の古いPC関連コレクション。
そしてゲーム機博物館は私が集めた古いゲーム機のコレクションと会社所有品の新しめのゲーム機です。


ウェブテクノロジ 98博物館 PC-9801
98博物館の一部



 

ウェブテクノロジ 98博物館 PC-9801
98博物館の一部

 

 

ウェブテクノロジ 98博物館 PC-9801
98博物館の一部 (98以外も)

 

初代 NEC PC-9801
初代 NEC PC-9801 (完動品)

 

ウェブテクノロジ ゲーム機博物館
ゲーム機博物館 (古めのほう)

 

ウェブテクノロジ ゲーム機博物館
ゲーム機博物館の一部 (新しめのほう)


 

残念ながらこれらは、2019年8月に西池袋から渋谷へ移転するさいに持って行くことができず、いずれも「夢の図書館」様へ寄贈しました。順次、展示に追加されているようです。

とにかく古い貴重なもの・懐かしいものがたくさん展示されている博物館なので、興味あったら是非、行ってみてください。

 

その引っ越し当時、ゲーム機博物館のほうを、一台ずつ写真に撮ってtwitterで紹介し好評だったのですが、twitterだともう遠くへ流れていってしまいました。

なので後で見返し易いように、今後このブログで改めて時々、少しずつ紹介していきたいと思います。twitter のものより少し大きめにして、未公開の写真も追加します。

※メジャーすぎるものや新しいものは基本的に除外します。なるべくレアなもの中心で。 


2021年8月26日木曜日

「ウェブテクノロジの小野です。」

今回は、私と勤め先のウェブテクノロジとの、出会いから現在、そして今後について書きました。

◆ ◆ ◆


【出会い】

1996年5月15日。当時フリープログラマーだった私は、「有限会社ウェブテクノロジ (当時)」創業者の二人、小高輝真ささんと清水和文さんに初めてお会いする機会がありました。

お二方とも当時、既に「アスキー」「ざべ」などのパソコン雑誌に寄稿したり、PC9801や一太郎の解説本も何冊も執筆されている、当時のパソコン好きにとって「あこがれの有名人」でしたから、お近づきになれたことが嬉しくて非常に舞い上がっていたのを覚えています。

1991年2月13日創業の同社は、当時はまだ社員が3人だけで、Windowsのプログラマーを探していました。私は外注としてお仕事をお手伝いすることになりました。

すべてはここから始まりました。

 

株式会社ウェブテクノロジ Web Technology Crop. 会社ロゴ
2008年までの会社ロゴ


当初私は平行して他社の仕事もやっていましたが、徐々にウェブテクノロジの仕事が増えていきました。とにかく、新しい試みや体験が次々とあって、それが本当に楽しかったです。

なので、社員にならないかと誘っていただいたときも、迷うことはありませんでした。1998年2月より、私は「株式会社ウェブテクノロジ」の5人目の正社員となりました。
(数年後には3番目の古参になってしまいましたが…)

 

小野知之 ウェブテクノロジ 名刺
私のウェブテクノロジ最初の名刺


【作り続けた日々】

それからは、ウェブテクノロジで本当にたくさんのソフトを作って来ました。
大ヒットしたものもあれば、いまいちで短命に終わったものもあり…。
「自分たちでソフトを作って売る」というこの事業は、若干のプレッシャーがありつつも、常に活気に溢れていました。

この25年感で、私が開発に関ってきたウェブテクノロジのソフトは、ざっとこんな感じです。 


  • OPTPiX (1997年発売~2000年販売終了)
  • Getweb! with ImageBrowser (1998年発売~2003年販売終了)
  • GetPHOTO! (1998年発売~2001年販売終了)
  • EXEpress (1998年発売~)
  • OPTPiX webDesigner / Snap! (1999年発売~200?年販売終了)
  • OPTPiX iMageStudio / imesta / ImageStudio シリーズ (1999年発売~)
  • SpriteStudio シリーズ (2005年発売~)
  • EsPix Pro (2010年発売~201?年販売終了)
  • コミPo! / ComiPo! (2010年発売~)
  • ノートくっきり (2015年公開~)
  • セイカ歩数計 (2015年公開~2018年開発移管)
  • OPTPiX SmartJPEG (2017年発売~)
  • OPTPiX IndexColorShader for Unity (2021年公開~) 

 

他に受託開発したソフトもいろいろありました。、何本か忘れているものもあると思いますが…。とにかく、Windows用ソフトであればほぼ全部に関っていると思います。


【OPTPiX と共に】

この中で、画像減色ソフト「OPTPiX (オプトピクス)」のヒットが、その後の会社と私の運命を決めたと言っても良いと思います。

1997年にシェアウェア(オンラインソフト)として発売した初代「OPTPiX」は、当時大人気だったPCゲームメーカーの Leaf さんが採用・紹介していただいたことから一気に話題になりました。その結果、コナミさんとスクウェアさんから「プレステ用にカスタマイズしてほしい」との開発依頼を頂くに至りました。

OPTPiX (1997年)
起動スプラッシュ画像

これをきっかけにゲーム開発業界へ参入しました。上位製品となる画像最適化ソフト「OPTPiX iMageStudio」シリーズは「ゲーム開発用画像処理ソフトのデファクトスタンダード」として一気に業界全体へ広まり、ウェブテクノロジの主力製品となりました。

OPTPiX iMageStudio 5 の起動画面
OPTPiX iMageStudio 5 (2004年)
起動スプラッシュ画像

 

その後も、携帯電話、デジタル放送、カーナビ、自動車、パチンコ・パチスロ、OA機器などなど、「あらゆる画像表示機器」へと対応分野を広め、「画像処理のウェブテクノロジ」としての地位をかためながら現在に至っています。

 

そしてこれらの実績が認められ、ウェブテクノロジは2018年5月、同じくゲーム開発業界向けを中心として最強の音声・動画ミドルウェアなどを開発している「株式会社CRI・ミドルウェア」の100%子会社となりました。
長年、みんなで頑張ってきたことが高く評価されたからこそ実現したことなので、ここまで自分たちの会社の魅力を高められたことをとても誇らしく思っています。


【コミPo! の誕生】

 一方、OPTPiXシリーズと平行して、他にも様々なソフトを作って来ました。その代表の一つは、なんといっても「コミPo!」でしょう。

主にゲームなどの開発業界のプロ向け製品開発に注力してきたウェブテクノロジが突如、一般市場(コンシューマー)向けの製品を作ったのです。
とはいえこれは当時、漫画家の田中圭一さんが社員であったことがきっかけで実現したものですし、元をたどれば田中さんが入社したのも、OPTPiXによるゲーム業界との強い結びつきがあったからこその縁でした。つまりコミPo! もOPTPiXがあったからこそ生まれた製品と言えなくもないでしょう。

コミPo! は、紆余曲折あって死にそうな思いもしながら作り上げ、2010年12月15日に無事発売され、「使いやすい」「便利」「こういうのが欲しかった」といった非常に高い評価を多数頂くことができました。これは、特に OPTPiX シリーズで長年培って来た、UIや操作性についての知識と、さりげなく豊富な画像加工機能などがあったからこそではないかと思います。

コミPo! 製品ロゴ
コミPo! 製品ロゴ

その後は英語版「ComiPo!」も発売し、世界中のたくさんの熱心なユーザーの皆さんに支えられながら、多くはないもののジワジワと売れ続け、おかげさまで昨年末には発売10周年を迎えることができました。

そして更に、コミPo! を作った会社・・・私の自慢の「ウェブテクノロジ」の名前が、ゲーム開発業界などの限られた人達の間だけではなく、一般の方々にも知って覚えてもらえたことが、最高に嬉しいです。これだけでも「コミPo! を作って良かった」と思えるほどです。


【そして創業30年】

こうして今年、2021年2月13日に、ウェブテクノロジは創業30周年を迎えることができました。30年も会社を続けてこられたのです。非常に大きな達成感のある数字です。

自分は、「ウェブテクノロジ」で「OPTPiXシリーズ」と「コミPo!」を作るためにプログラマーになり、今まで生きて来たんだと思っています。

これらは、私の生涯の誇りです。


株式会社ウェブテクノロジ Web Technology Corp. 会社ロゴ
現在の会社ロゴ

 

【これから】

今日、2021年8月26日。
親会社のCRI・ミドルウェアから、下記の情報が公開されました。

2021年9月30日をもって、「株式会社ウェブテクノロジ」は、30年半の歴史に幕を降ろすこととなりました。 

ウェブテクノロジはCRI・ミドルウェアに吸収合併され、10月1日からは社員も製品もすべて移籍・移管となります。

現行製品の開発・販売・サポートは合併後も変わらず継続しますが、ウェブテクノロジとしてではなくなります。

 

ウェブテクノロジは30年以上、潰れることもなく、やり遂げました。そして、 ウェブテクノロジが築き上げてきたものは、CRI・ミドルウェアの中で今後も生き続けます。


私に最高のプログラマー人生をくれたウェブテクノロジ・・・ここでソフトウェアを作れて本当に幸せでした。今まで本当にありがとうございました。

 

小野知之 ウェブテクノロジ 名刺
私のウェブテクノロジ最後の名刺

 

CRI・ミドルウェアになっても、「OPTPiXシリーズ」「コミPo!」をはじめとする旧ウェブテクノロジ製品をよろしくお願いします。

 

(※実は、この文章を残したいと思ったのも、このブログを始めようと思ったきっかけの一つでした。こうして残せて良かったです。)

2021年8月23日月曜日

麻雀牌とのお別れ

麻雀が本当に大好きです。

高校生のときに覚えて夢中になり、大学では打たない日は無いというくらいに毎日打っていました(最後の一年を除き)。

大学を出て働くようになってからは流石に頻度は激減してしまいましたが、機会あれば仲間を集めて打ち、そうでなければゲームで遊んで居た物でした。

 

そんなわけで今の会社(ウェブテクノロジ)でも年二数回、社内麻雀退会などやっていたのですが、 「ええい、どうせなら」とばかりに2003年、自費で中古の全自動麻雀卓を購入。会社に置かせてもらい、麻雀退会で使っていました。



しかし、仕事も忙しくなり徐々に開催頻度は数年に一度にまで低下。麻雀卓は、次第に社内で邪魔な存在になってきてしまいました。

不運なことに、私の視覚障害も進んでしまい、他人の捨て牌がよく見えないだけでなく、左目中央部の視野欠損のせいで遠近感がうまく取れず、山からツモるのも危なっかしくなってしまいました。

 

2019年8月、会社が西池袋から渋谷の親会社(CRI・ミドルウェア)のフロアへ移転したときも、捨て切れずにこの麻雀卓も持って言ったのですが、結局一度も使うことなく2年が過ぎてしまいました。

そして・・・今度の10月、CRI・ミドルウェアと一緒に、渋谷の別のビルに移転することになりました。

 

今度こそもう、この麻雀卓ともお別れです。

社内に希望者がいれば差し上げるつもりですが、難しいでしょうね。廃品回収業者へ引き取ってもらうことになると思います。

[※2021/10/02追記] 結局希望者はおらず廃棄となりました…。


そして。私ももうこれで、麻雀牌で麻雀を打つことは二度と無いでしょう。この目では、もう無理です。

よく麻雀漫画では片目や盲目の雀士が登場しますが、あれは「あくまでもマンガ」です。実際に片目をつぶって対面の山から牌をツモってみればわかると思います。ましてや両目を閉じてしまうとツモは不可能です。麻雀になりません。

盲牌なら得意だったのですが、残念ながらこの技術ももう出番は無いですね…。


牌の識別に時間がかかるので、オンライン麻雀も無理そうです。せいぜい、コンピューター相手で時間制限の無い麻雀ゲームで我慢するかどうかだと思います。味気ないですが。

大好きだったもの永遠に失うのは、いつも本当に辛いです。

 寂しいオチになってしまって、すみません。

2021年8月22日日曜日

80's: Dexys Midnight Runners

というわけで、いろいろあった流れで今回はイギリスのバンド Dexys Midnight Runners のお話です。

 

【Dexys Midnight Runners】

彼らは、何といってもこの "Come On Eileen" の世界的大ヒットで知られています。アメリカ・イギリスでは最高1位を獲得しました。

 "Come On Eileen"
Dexys Midnight Runners
(1983/04/23付 最高1位)
(※公式ビデオではありません)
(※※アルバムバージョンです)

 

 先日お話ししましたとおり、ちょうど私が洋楽に興味を持ちはじめた頃に良く流れていて、洋楽の世界にのめりこむきっかけになった思い出深い曲でもあります。
今聴いても、この明るく軽快なノリは「これはヒットするよなー」と改めて強く感じます。間違いなく80年代を代表する名曲のひとつでしょう。

 

ところで、彼らの Billboard HOT 100 入りした曲は、この "Come On Eileen" の他には、1983/06/11 に最高86位までしか行かなかった "The Celtic Soul Brothers" しかありません。このため時折「一発屋 (※大ヒット1曲以外にヒット曲が無いアーティスト。"One Hit Wonder" とも言う)」と誤解されることがありますが、これは正しいとは言えません。
イギリスではベスト10ヒットが4曲もあり、 "Come On Eileen" の前に 1980年には "Geno" も1位を獲得しているからです。

 

なお、彼らの名前「Dexys Midnight Runners」なのですが、Billboard での記録ではこの通りの表記になっています。 しかし、本国イギリスでは「Dexy's Midnight Runners」というように、"Dexy" の次に「'」が入っています。検索しても両方混在していて、ちょっと困りますね。
Wikipedia では Billboardと同じ「Dexys」で統一されているようです。

GUINESS "BRITISH HIT SINGLES 12TH EDITION"
167ページより

  参考リンク:
Dexys Midnight Runners - Wikipedia (Eng)

 

◆ ◆ ◆

 

さて。それでは先日の "Come On Eileen" のビデオが見つからない件のその後の続きをしたいと思います。

先日の記事に書きましたように、"Come On Eileen" には公式のプロモーションビデオが存在していたはずなのに、YouTube には完全な状態のものが存在していません。

 かろうじて見つけた「断片」は、こんな感じでした。

 

  

 

そこで、自分で発掘したビデオを試しにYouTubeにアップロードしてみたのですが、 なんと、自動審査で「著作権侵害がある」としてブロックされてしまいました。どうやら、"Come On Eileen" のプロモーションビデオそのものが、権利者の申し立てによりYouTubeでは「公開不可」とされているようです。

 公開されている「断片」は、みなさんがこの自動審査を回避するよう工夫した結果のようです。前半を切り捨てたり、途中をスキップしたり…。

(しかし、Googleも自動で審査するなんて凄いよなぁと改めて感心したりもしました。)

倫理的や宗教的などの大問題があるわけではないようですし、せっかくのこの80年代を代表する名曲の貴重な映像なのですから、 あまりうるさいことを言わず、誰もが楽しめるように是非とも公開を認めてほしいものですね。

 

せっかくなので、発掘した映像(1985年のTVK「American TOP 40」の録画) の、最初の10秒だけ、ここに残しておきます。酷い音声ですが、そこもあえてそのままにしておきます。

 

最後に余談で、またもやバージョン違いのお話です。

上のビデオを見つけたとき、音質が酷いので、CDの音に入れ替えたらどうだろうかと思ってCDを探したのですが。シングルバージョンがなかなか見つからないのです。

シングルバージョンでは、曲の始めに上のビデオのように「ちゃらら~らら~ら~ら~ら」というイントロがあるのですが、当然入っていると思っていたヒット曲集の

  •  MEGA HITS '80s 
  • TOP 10 HITS II 1980-1990 Disc 2
  • Now 1982 - The Millennium Series

では、いずれもこのイントロが無いのです!
アルバムバージョンだと、この記事の最初の動画がそれで、最初のイントロに加えて最後にアカペラが入ります。それとも違いますので、未確認ですがこれらはイギリスのシングルバージョンなのかもしれません。

アメリカでヒットしたシングルバージョンでは、このイントロが入っていました(最後のアカペラは無い)し、確かに所有していたはず…なのですが…。
というわけで、あわてて探したところ、

  • 僕たちの洋楽ヒット Vol.14 (1982-83)

に、ちゃんとイントロのあるアメリカシングルバージョンの "Come On Eileen" が収録されていました。(探せば他にもあるかもしれません。)
非常に多くのCDに収録されているので、当然シングルバージョンが入っていると思いこんで確認不足でした。焦りました。

(しかしその後、ビデオではシングルバージョンをさらに短く編集したビデオ用バージョンであることが判明し、差し替えを断念しました…) 

 

参考リンク:
Come On Eileen - Wikipedia (Eng)


2021年8月19日木曜日

"Come On Eileen" のビデオが見つからない件

 先日の記事で書きました、 Dexys Midnight Runners の "Come On Eileen" のプロモーションビデオについて、続きの話です。

YouTube に完全な状態のビデオが無いので、もしやと思って自分のTV録画ビデオテープの中を探して…。

 

見つかりました!

先頭から末尾まで全パートがある、"Come On Eileen" のプロモーションビデオの録画を、発見しました!

"Come On Eileen" Official Music Video
最初のシーン

1985年のTVK「American TOP 40」の中の「YESTER HITS」(過去の同週のヒット曲を毎週紹介するコーナー)で紹介されていました。

"Come On Eileen" Official Music Video
前奏部の曲紹介
 

36年前の録画ということもあり、映像のほうは、ボヤけていまいちではあるものの、楽しめる範囲内かとは思います。音がモノラルなのも、中村真理さんによる曲紹介が入るのも、まぁ仕方ないかなという感じです。

"Come On Eileen" Official Music Video
最初のサビの少し前
 

… しかし!

とにかく、音質が非常~に悪いのです。
テープが痛んでいるせいで、音量は小さく篭ってノイズが酷くて、聴くにはかなりツラい状態です。

流石にこのままでは YouTube で公開できなさそうなので、音声だけでもCDのものに差し替えようと思いました。
そしていざ、編集しようとして、新たな問題が八角。


なんと、プロモーションビデオでは前奏が短く編集されていて、シングルバージョンとは長さが違うのです!!
なんてこった!!


CDのシングルバージョンを編集してビデオバージョンを作ることも考えましたが、手間はかかるし「捏造しすぎ」な感じなので、気がすすみません。

仕方ないので、せめて音量調節とノイズ低減化くらいの編集だけやって、YouTube に上げようかと考えているところです。
(YouTubeにアップするのは初めてですが…)


というわけで、無事に動画を公開できたら、次回の80's洋楽紹介では Dexys Midnight Runners とこの曲を改めて紹介したいと思います。

(実はもっとよく探したらYouTubeにあったりして…)

 

2021年8月17日火曜日

洋楽プロモーションビデオ録画コレクション

前回の記事で、Dexys Midnight Runners の "Come On Eileen" のプロモーションビデオを貼ろうとしてYouTubeを探したのですが、なぜか完全なものが無く、途中から始まる半端なもの1本だけでした。古すぎて現存しないのでしょうか?

 

80年代の洋楽は、プロモーションビデオと切り離せない関係にあったと思います。もちろん私も、TVK(テレビ神奈川)で放送していた「American TOP40」「MusicTV」「Music TOMATO」などの番組をせっせと録画し、集めていました。

1984年秋頃から1991年夏頃まで、VHSの120分テープでおよそ40本程、ありました。・・・3倍速で、ですから約250時間。
1本あたりおよそ90~100曲入っているので、えーっと・・・

およそ4000曲

でしょうか。我ながら恐ろしい数字です・・・。

 

収録曲の当時のメモ。
これでテープ1本分。
 

 実はこれらのビデオテープは10年以上前にすべてビデオキャプチャーしてMPEGファイル化してあります。総容量は550GB程です。もちろん解像度はSDサイズなので、HDが普通な今時ですと案外少なく感じますね。

しかしながら、おそらくほぼすべてが現在はYouTubeで見られる(しかも私の録画よりキレイだし音も良い)ので、今となってはこれらのファイルは「記念」的なものでしかなくなっていました。

昨日までは。

 

"Come On Eileen" のプロモーションビデオも、この中にある・・・と思うのです。解像度はSDで音もモノラルかもしれませんが、あれば先頭からちゃんと全編あるはずです。

私のプロモーションビデオ・コレクションが、初めて役に立つ日が来るのかもしれません。しかもまさかの大ヒット曲で・・・。

見つけたら、YouTube にアップしたいと思います。
見つからなかったら、ごめんなさい。



2021年8月16日月曜日

この曲で80年代洋楽にハマりました。

さて、80年代のヒット曲の話をたくさん書こうと思ってブログを始めたものの、いざしっかりした記事にしようとすると時間がかかりますね。写真を撮って加工したり、デタラメにならないように一応調べたりなどしていると、すぐに数時間が過ぎてしまい、頻繁にアップするのはなかなか難しそうです。軽めの話もはさみながら、コツコツ続けていきたいと思います。

 というわけで今回は、私が初めて洋楽の素晴らしさを知ってハマっていくきっかけとなった、当時のヒット曲たちをざっとご紹介したいと思います。 

◆  ◆  ◆

きっかけは、中学生だった1983年の春ごろ、友人が持っていたカセットテープでした。学校の課外授業(だったと思う)の移動バスの中でBGM代わり再生され、流れて来たのは、当時の洋楽ヒット曲の数々…。
衝撃的でした。邦楽ならよくラジカセでサザンとか松田聖子とか聴いていたのでしたが、それらとは全く異質に感じました。メロディー、ビート、ボーカル…すべてが魂にグサグサ突き刺さってくるようで、感動しながら聴き惚れていました。

こんな曲たちでした。ざっと並べます。

"Separate Ways" - Journey
(1983/03/19付 最高8位)

"Mr.Roboto"
Styx
(1983/04/16付 最高3位)

"Come On Eileen"
Dexys Midnight Runners
(1983/04/23付 最高1位)
(※何故か途中から・・・)
(※※↑映像の権利関係の事情らしいです)


"Down Under"
Men At Work
(1983/01/15付 最高1位)
 


"Maneater"
Daryl Hall & John Oates
(1982/12/18付 最高1位)
 

それからはもう、友人たちとテープを貸し借りしたり、ラジオで録音したり、貸しレコード屋へ行ったりの日々です。今まで全く知らなかった、広大な素晴らしい洋楽の世界があったのでした。

聴いた曲は、他にもまだまだ、たくさんありました。

"Flashdance...What A Feeling"
Irene Cara
(1983/05/28付 最高1位)
 
 
Hungry Like The Wolf"
Duran Duran
(1983/03/26付 最高3位)

"Beat It"
Michael Jackson
(1983/04/30付 最高1位)
 
 
 
 "Let's Dance"
David Bowie
(1983/05/21付 最高1位)

"Little Red Corvette"
Prince
(1983/05/21付 最高6位)

他にも

  • "Africa" - Toto (1983/02/05付 最高1位)
  • "Straight From The Heart" - Bryan Adams (1983/05/28付 最高10位)
  • "Do You Really Want To Hurt Me" - Culture Club (1983/03/26付 最高2位)

などなど…。

(案外、YouTubeでも、無いものは無い、のですね。ビデオ。) (←公開できない事情もあるようです。)

 

歴史的スーパースターたちの、今でも耳にするような名曲が溢れていました。この時代に洋楽の世界に出会うことができて、本当に良かったです。自分は運が良かったのですね。

(しかしその後、過去のヒット曲を遡って聴いてからは、「できればあと数年早く出会いたかった」と思ったのでした。せめて1982年は、リアルタイムで体験したかったです…)

こうしてその後、80年代洋楽収集は、私の一生もの(予定)の趣味になってしまったのでした。


- - -

…結局、この記事に3時間以上かけてしまいました。そもそも軽い記事なんて書けないのかもしれません(夢中になってしまい)。


2021年8月13日金曜日

80's: McAuley Schenker Group (MSG)

80年代の洋楽の話をするにあたり、さて次は何にしようかと思った時、手元につい先日購入したCDがあったので、この話にしようと思います。

 

 【McAuley Schenker Group (MSG)】

CDは、ドイツ出身のハードロックバンド McAuley Schenker Group (MSG) の "Save Yourself" (1989年) です。
※CDケースのまま撮影しようとすると反射してしまうので、今後は基本的にジャケットだけ取り出して撮影することにしました。

Save Yourself (1989年)

 

「MSG」と言えば通常は Michael Schenker Group のことですが、この前後数年間だけ、ボーカリストの名前を付けて McAuley Schenker Group と名乗っていました。略称は変わらず「MSG」です。(だからいい・・・のか?)

 

MSGはシングルヒットはほとんどありません。80年代初等にはイギリスで3曲が小ヒット(いずれも50位台)がありましたが、これらはアメリカではランクインしていません。とはいえ人気のあるハードロック・ヘヴィメタ系バンドでもシングルヒットが少ないは普通の話です。実際MSGもアルバムは良く売れていましたから、知っている人は多かったと思います。

いま軽く調べてみたのですが、当時は特にイギリスと日本で良く売れていて、逆に出身地であるドイツではほとんど売れていなかったのですね。

参考: Michael Schenker Group discography - Wikipedia (Eng)

 

そんな彼らが、初の Billboard HOT 100 ランクインしたのが、本アルバムからのシングル "Anytime" です。

 
Anytime / McAuley Schenker Group


 

"Anytime" は1990/03/10付で最高69位を記録しました。

・・・あ、「80年代洋楽の話」と言いながら、ちょっぴり1990年初等になってしまいました。発売は1989年なので特例ということで・・・。

当時はこのアルバムを借りて聴いて非常に気に入り、カセットテープに入れて良く聴いていました。そのテープがつい先日、テープのデジタル化をしている中で出て来まして、まだCDを持っていなかったので購入したというわけです。

改めて今聴いても、やはり良いアルバムです。80年代ハードロックの良いところ・・・心に残るメロディーと重量感ある演奏が心地よいです。


ところで今回購入したCDなのですが、1989年発売のものではなく、2000年の再発版でした。そして、購入して聴いて見るまで気づかなかったのですが、なんと再発版にはボーナストラックとして "Anytime (Single Edit)" が収録されていたのです! これは素晴らしい! 感激しました。買って良かった・・・。

 

MSGの参考リンク:

 

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余談になりますが。

ヒット曲収集での大きな悩みの一つが、「シングルバージョンが手に入らない」ことです。
同じ曲でもアルバムとシングルでアレンジが異なるのは良くあることですが、アルバムはCD化されてもシングルはほとんどCD化されません。ベスト盤や「懐かしのヒット曲集」のようなCDにも、アルバムバージョンが収録されてしまうことが多く、大概は「諦めてアルバムバージョンで我慢」か「当時の録音テープのデジタル化で我慢」することになるのです。

「ちょっと後ろが長い」とかくらいの違いならまだ良いのですが、たまに「作りなおした」くらいに違う場合もあり、こだわりだすとなかなか厳しいです。

George Michael の "Monkey" (1988/08/27付 1位) もそんな「ぜんぜん違う」曲でした。アルバム "Faith" だけでなく、ベスト晩 "Ladies & Gentlemen" にもアルバムバージョンしか収録されていませんでした・・・No.1 ヒット曲なのに!
幸い、録音テープだけは残っていたので、これをデジタル化することで入手を諦めていました。
それがつい数ヶ月前、"Bleed For This" サウンドトラック (2016年) のCDに幻の "Monkey" シングルバージョンが収録されていることを発見したのです! まさに「もう無いと思っていた宝物を見つけた」ような喜びでいっぱいになりました。




2021年8月10日火曜日

80's: Alphaville (2)

前回の続きです。Alphaville について、おまけの話。


代表作である "Big In Japan" ですが、実はアルバム "Forever Young" に収録されているバージョンはシングルバージョンと異なります(特に前奏が全然違う)。プロモビデオを見たりして「あ、いいじゃん」と思ってアルバムを買うと「コレジャナイ」という状態になります。

シングルバージョンは、ベストアルバム "First Harvest 1984-92" に収録されています。

First Harvest 1984-92 (1992年)

 

なお、"The Singles Collection" というアルバムが1988年に発売されていますが、これに収録されている "Big In Japan" は「1985年のシングルバージョンではない」という罠がありますのでご注意ください。

とはいえ、リミックスバージョンがいろいろ入っていて、これはこれでファンにとっては良いアルバムです。特に "Forever Young [Special Extended Mix]" は、スローな原曲を、軽いアップテンポでポップにアレンジしているのですが、これが実に心地よい感じに仕上がっており、とても気に入っています。
(※ケースが割れてしまっていたので外して撮影)

The Singles Collection (1988年)


 

最後に、ちょっと珍しいものがあるので写真をアップしておきます。

"Forever Young" - Alphaville (Music Casette Tape)

"Forever Young" - Alphaville (Music Casette Tape)

"Forever Young" のミュージックカセット版です。同一内容のCDを持っているので音源としては不要なのですが、珍しいものなので大切に持っています。

 

Alphaville の参考リンク:

 

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いきなり思い入れあるアーティストの話を始めてしまったら、結構いろいろ書くことがありました。写真撮って加工したり、軽く調べたりもしていると、やはり随分と時間がかかりますね。

でもこれで、画像のアップや動画のリンクなどのやり方がわかりました。今後も少しずつ続けて行きたいと思います。次はどんな話をしようかな。

2021年8月9日月曜日

80's: Alphaville (1)

80'sの話をしようと思ったのがこのブログを始めたきっかけだったものの、どういうスタイルにすればいいかとか考えていなかったので、結局まだ書いていませんでした。
というわけで、そのへんの試行や、画像や動画を貼る練習も兼ねて、とりあえず1回書こうと思います。

さて、何を書こう・・・メジャーすぎることを書いても逆に面白みがないし・・・。というわけでアルファベットで「A」で最初に思いついたのが「Alphaville」だったので、Alphavilee です。

 

【Alphaville】 

Forever Young (1984年)

ドイツのバンドで、ヒット曲の "Big In Japan" と "Forever Young" で知られます。日本でも結構売れていて耳にしたので、聴き覚えのある方もいるかもしれません。(後者はCMで使われてましたね)

上の写真はこの2曲が収録されたアルバム "Forever Young" です。日本盤ではタイトルが「ビッグ・イン・ジャパン」にされているのは少々引っかかりますが…。

ちなみにこれ、キープ用に買っておいたものなので、まだ未開封新品です。

 

というわけでこの2曲のプロモーションビデオはこちら。

 Big In Japan / Alphaville

 Forever Young / Alphaville

 

あぁ… "Forever Young" やっぱり名曲。何度聞いても感動でゾクゾクします。


ところでこの2曲、「ヒットした」とは書きましたが、正確にはヨーロッパ中心で、アメリカの Billboard HOT 100 ではそれほどの結果は残していません。

  • "Big In Japan" - 1985/01/12付 最高66位
  • "Forever Young" - 1985/03/30付 最高93位
  • "Forever Young" - 1988/12/24付 最高65位 (再エントリー)

しかし、"Big In Japan" は Billboard Dance Club Songs チャートでは1位を獲得しているので、立派なヒット曲です。

面白いのが "Forever Young" です。こちらは "Big In Japan" の次にシングルカットされたときはギリギリ100位に入るのみでした。ところが3年以上たって、とあるラジオ曲で紹介されたことがキッカケ(と当時言われていた)で「隠れた名曲」として再度注目を集め、"Big In Japan" を凌ぐ最高65位まで再浮上してしまいました。
大好きな曲なので、100位内にまさかの再エントリーをしたときは驚きと喜びで興奮したのを覚えています。(できればせめてTOP40くらいは行ってほしかったですが…)


余談ですが、こういった「隠れた名曲の復活ヒット」はしばしばあり、特にこの時期には Sheriff の "When I'm With You" (1983年61位 ⇒ 1989年1位)や、Synch の "Where Are You Now?" (1986年77位 ⇒ 1989年10位) などが続いていて、ちょっとした「復活ブーム」でした。
このあたりのお話はまた別の機会に…。

 

Alphaville について、もうちょっと書くことあったのですが、長くなったので一旦ここまでで。

次回へ続きます。



2021年8月8日日曜日

Android の仕様変更への追従 (2)

前回の続きです。

Android アプリ「Simple アナログ時計」は、2012年の公開後、「Alarm Manager の仕様変更」「Battery Optimization の導入」などに対応して安定動作させるため、改良を重ねてきたのでしたが、まだ続くようです。

 

Service の制限強化 (SDK Level 26)

私のアプリでは、安定して時計を動かし続け、また端末のスリープを検出して描画更新を止めることでバッテリーの無駄な消費を無くすため、Service によるバックグラウンド処理をしています、

ところが、Android 8.0 (SDK Level 26) から、この Service の使い方に制限が追加されたのです。具体的には、「Serviceを長時間動かし続ける場合は、通知バーにアイコンを表示する必要がある」というものでした。アイコンを表示せずに Service を開始すると、5秒程度で強制終了されてしまいます。
また、これに加えて「新たにアプリを公開・更新する場合には SDK Level 26 以上の制限への対応が必須」というルールも増えました。悪意ある常駐アプリを作れなくするためですね。

 

とはいえ、Service を使うアプリが突然使えなくなるのはユーザーも困るということで、救済措置として「既にストアで公開されているアプリであれば、通知バーアイコンを出さなくても従来どおり動作する」ということになっていました。

  私のアプリも幸い、Android 8.0, 8.1 でも正常に動作しました。また、アップデートするには SDK Level 26 以上への対応にいろいろ改造する必要があったので、しばらくそのままにしていました。


ところが、2019年になり、Android 9.0 の端末が増えるに従い、「止まってしまう」という報告が増えてきました。どうやら、Android 9.0 で何か互換性に問題が出たようです。しかし前述のとおり、今度アップデートするには新しい SDK に合わせて Service の動作もいろいろ改造する必要があります。

当時は非常に多忙で時間が作れず、頻繁に届く「動かない」という報告と、下がって行く評価を、放置しておくことしかできなかったのが非常に辛かったです。

2020年2月になってようやく、Service の動作を変更し、Android 9.0 (SDK Level 28) に対応をして公開しました。公開後に「通知バーアイコンが邪魔だ!」というクレームが多数来てしまったものの、「動くようになった!」という喜びの報告をたくさん貰うことができました。下がっていた評価は徐々に戻り、一安心でした。

その後は1年以上、非常に安定しており、Android 11 でも特に問題は出ていませんでした。


 原因不明 (SDK Level 29)

2021年6月に、時間があったので久しぶりに、いくつか機能追加と改良をしました。

前述のように、アプリの公開・更新にはSDK Level の制限があり、この時点では「Android 10 (SDK Level 29) 以上への対応必須」となっていました。幸い SDK Level 29 では私のアプリの動作へ影響するような仕様変更などは無く、時計の駆動部への変更は一切無いまま機能追加し、アップデートを公開することができました。

ところが公開後から、数は少ないのですが「停止してしまう」という報告が来るようになりました。Battery Optimization の設定変更などをしても改善せず、原因がまったくわかりません。報告者の端末に傾向などは見られず、私の手元でも問題は発生しません。なにか、非常に限られた条件下でのみ発生する問題があるようなのですが…。


いろいろ調べたのですが、原因と思われるものが見つかりませんでした。あと原因として考えられるのは、「SDK Level 29 の、広くは公表されていない変更箇所の影響」くらいではないかと…。もちろんOSのソースの改変履歴を調べれば見つけられるかもしれませんが、やりたくない作業ですね。

というわけで、「もしSDK Level 29 の不具合であれば、改善するかもしれない」と祈りながら、「Android 11 (SDK Level 30)」に対応してアップデートを公開しました。機能追加はせず、時計駆動部も小改良した程度です。


現在、2週間が過ぎましたが、「止まってしまう」という報告が全く来なくなりました。本当に「SDK Level 29 の問題」だったのかもしれません…。

できればもう、あとはこのままずっと正常に動き続けてほしいものです。


2021年8月6日金曜日

Android の仕様変更への追従 (1)

拙作の Android アプリ「Simple アナログ時計」は、最初の公開からもう9年以上も経つ、秒針付きアナログ時計のウィジェットです。細々とアップデートを積み重ね、おかげさまで高い評価をいただき(現在★4.3)、常に「アナログ時計」検索結果上位を維持してきました。

しかし、「1秒毎に画面更新するウィジェット」という、スマホアプリとしては特殊なことをやっているため、これまでの Android OS の仕様変更によって何度か「対応限界」の危機がありました。

 

Simpleアナログ時計 Simple Analog Clock
Simpleアナログ時計 (v5.1.3)

 

Alarm Manager の仕様変更 (SDK Level 19)

まず、Alarm Manager。これは「指定時間後に onReceive が来る」という便利な機能で、定期的な処理に良く使われます。当初はこれを使うことで1秒毎の針更新も難無く実現していました。

ところが Android 4.4 (SDK Level 19) で「onReceive が指定時間後に来ることは保証されない」という仕様に変更されました。それでも Android 5.0 まではちゃんと1秒毎に onReceive が来ていたのですが、Android 5.1 で「最短5秒程度」にされてしまいました。これでは秒針は使えません。

もう仕方ないので Alarm Manager を使うことを諦め、内部動作を postDelayed() を使うように大改造することで、なんとか「1秒毎の更新」を実現しました。


Battery Optimization の導入 (SDK Level 23)

しばらくはこれで安定動作していたのですが、今度は Android 6.0 (SDK Lvel 23) で Battery Optimization 機能が導入されました。バックグラウンドで長時間動作しているアプリを強制的に停止させることで、スマホのバッテリー寿命を延ばす仕組みです。

端末メーカーによって実装方法が異なるらしく、多くの場合は問題なかったのですが、一部のユーザーから「突然止まった」という報告が来るようになりました。

幸い、OS のほうの設定に、アプリ単位で「強制停止の対象外」を指定できるようになっていたため、これを利用して回避することができました。

ちなみに、Settings.ACTION_REQUEST_IGNORE_BATTERY_OPTIMIZATIONS
で Intent を作成し、startActivity() を呼べば、設定が開けます。


次回へ続きます。